月の砂時計 (Đồng hồ cát dưới ánh trăng)
🟢 永遠の月の砂時計 🕰️ 第一幕 – 始まりと設定 Hồi 1 – Phần 1 夜の帳が降りた頃、表参道の裏路地にある小さなカフェ「ル・ミエル」は、蜂蜜色の光を湛えていた。ジャズの調べが静かに流れ、ガラスの向こうには雨上がりの湿ったアスファルトが反射している。 テーブルには、結婚五周年を祝うためのささやかなディナーが並んでいた。私はミチコ。今年で三十二歳になる、出版社の編集者だ。目の前には夫のコウジが座っている。三十五歳の彼は、才能ある建築家で、いつも少しだけ疲れを帯びた顔をしているけれど、その瞳の奥には揺るぎない優しさがある。 「五年間、あっという間だったね、ミチコ。」 コウジは、カトラリーを置き、私を見つめた。その眼差しは、初めて私にプロポーズしたあの日と変わらない、真剣な光を宿している。 「本当にね。まるで昨日のことみたい。あなたが設計図を忘れてきた日も、私の原稿チェックを手伝ってくれた日も、全部。」 私は微笑んだ。私たちの結婚生活は、大きな喧嘩もなく、穏やかで安定していた。コウジは寡黙だが、行動で愛情を示す人だ。朝、私がまだ寝ている間に淹れられる濃いコーヒーの香り。私が風邪を引いたときに、黙って買い置きしてくれた大根飴。小さな日常の積み重ねが、私の心の中で「信頼」という名の、巨大な城を築いていた。 彼はポケットから小さな箱を取り出した。ベルベットの光沢が、カフェの照明を吸い込む。 「これ、五周年の記念に。」 中には、繊細な銀のチェーンに吊るされた、小さなムーンストーンのペンダントがあった。石は、まるで夜空に浮かぶ半月のように、淡く青い光を放っている。…